金利が上がると投資信託はどうなる? わかりやすく整理
金利が上がると投資信託はどうなる? わかりやすく整理!
※この記事は、今後の金利動向について一般的な見方をまとめたものであり、 投資をおすすめするものではありません。実際の判断はご自身のリスク許容度に合わせて行ってください。
最近ニュースなどでも「日本でも金利が上がるかもしれない」という話をよく聞きますね。 金利が上がるって、投資信託や株にはどんな影響があるのでしょうか? 今回はそのあたりをわかりやすく整理しつつ、 「金利上昇でむしろ有利になる業界」も紹介していきます。
なぜ“金利が上がる”といわれているの?
金利が上がる予想が出ている背景には、いくつかの理由があります。
- 物価(インフレ)が上がっている: 物の値段が上がると、お金の価値を守るために中央銀行が金利を上げることがあります。
- 金融政策を“普通の状態”に戻したい: 日本は長く「超低金利」でしたが、それを少しずつ戻していく動きがあると考えられています。
- アメリカなど海外の金利が上がっている: 他の国の金利が高いままだと、日本だけ低金利ではお金が流出してしまう可能性もあります。
金利が上がると投資信託はどうなる?
投資信託は「株」や「債券」など、いろいろな資産が組み合わさった商品です。 その中でも特に債券(国債など)を多く含む投資信託は、金利の変化に影響を受けやすいです。
- 債券の価格が下がりやすい: 金利が上がると、新しく発行される債券の利回りが上がるため、 それまでの古い債券の価値は相対的に下がります。 → つまり、債券中心の投資信託は価格が下がることがあります。
- 株式も少し注意: 金利が上がると、企業がお金を借りるコストが増えるため、 利益が減る可能性も出てきます。
- でも、全てがマイナスではない: 金利上昇が「景気の回復」や「インフレに強い企業の台頭」を意味する場合もあり、 うまく受け止めればチャンスにもなります。
金利が上がると“強くなる”業界3選
一般的には、金利上昇でプラスに働きやすい業界もあります。 ここでは代表的な3業界と、主な企業を紹介します。
① 銀行・金融業界
- 代表企業:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友FG(8316)、りそなHD(8308)
- 理由:銀行は「預金金利より高い貸出金利」で利益を得ます。 金利が上がるとこの“差(利ザヤ)”が広がり、利益が増えやすくなります。
② 保険業界
- 代表企業:第一生命HD(8750)、T&Dホールディングス(8795)、MS&ADインシュアランス(8725)
- 理由:保険会社は集めた保険料を運用しています。 金利が上がると運用の利回りが改善しやすく、収益が増えることがあります。
③ 証券・資産運用業界
- 代表企業:野村HD(8604)、大和証券G(8601)、SBIホールディングス(8473)
- 理由:金利上昇局面では投資商品の動きが活発になり、 売買や運用の手数料収入が増える傾向があります。
まとめ:金利上昇は「悪いことばかり」ではない
金利が上がると、たしかに債券型の投資信託は下がりやすくなります。 でもその一方で、金融・保険・証券といった業界の株は追い風を受けることもあります。 つまり、金利の上昇をきっかけに“資産のバランスを見直す”チャンスにもなるのです。
投資信託をメインにしている方も、少しずつ仕組みを知っていくことで 「どんな時に上がりやすい・下がりやすい」が感覚的に分かるようになります。 長期でコツコツ続ける中で、金利の動きも“味方につけて”いきましょう。



