円安が進む今、海外投資はアリ?ナシ?
円安が進む今、海外投資はアリ?ナシ?
最近のニュースでも「円安が続いている」という言葉をよく耳にしますね。旅行や輸入品の値上がりなど、私たちの生活にも影響を与える円安ですが、投資の世界ではどう考えればよいのでしょうか? 今回は、円安と海外投資の関係をわかりやすく整理します。
円安ってそもそも何?
円安とは、簡単に言うと「円の価値が下がる」こと。 たとえば、1ドル=100円から150円になると、同じ1ドルを買うのに以前より多くの円が必要になります。 これはつまり、海外から見れば“円が安くなった”という状態です。
輸入品の価格が上がったり、海外旅行が高くついたりと、生活面ではデメリットもあります。 一方で、**海外資産を持っている人にとってはプラスに働く**こともあります。
円安のときに海外投資を始めるデメリット
円安が進んでいるときに海外株や海外ファンドを買うと、**スタート時点で「割高」になりやすい**という点があります。 なぜなら、ドルなどの外貨を買うためにより多くの円が必要になるからです。
たとえば、同じ100ドル分の米国株を買うとしても、 1ドル=100円なら「1万円」で買えるのに、 1ドル=150円では「1万5000円」かかります。 為替が戻って円高になると、その差が“為替損”として出ることもあります。
それでも海外投資を検討する価値がある理由
確かに円安局面では買いづらい面がありますが、それでも海外投資には見逃せない魅力もあります。
1. 世界をリードする企業に投資できる
アメリカ市場には、AI、テクノロジー、エネルギー、医療など世界の最前線を走る企業が数多く上場しています。
- NVIDIA(エヌビディア):AI半導体のリーダー
- Apple(アップル):高収益かつブランド力が強い
- Microsoft(マイクロソフト):クラウドサービス「Azure」が成長中
これらの企業はグローバルに収益を上げており、円の動きにあまり左右されません。 世界規模の成長に乗れるという点は、日本株だけでは得られないメリットです。
2. 為替の動きが資産価値にプラスに働くことも
円安が進むと、ドル建て資産の価値が円換算で上がります。 つまり、株価が変わらなくても「為替だけで含み益になる」ことがあるのです。
例:1ドル=100円 → 150円に円安になると、株価が同じでも円ベースで約1.5倍に。
3. 配当や株主還元が充実している
アメリカ企業は株主への還元姿勢が強く、配当金や自社株買いを積極的に行う企業が多いです。 たとえば、VYMやSPYDといった高配当ETFを通して、安定的な配当収入を得る投資家も増えています。
4. 長期的に見ると安定した成長が期待できる
S&P500指数は、短期的な下落を挟みながらも長期的には右肩上がりを続けています。 特に、インフレ局面でも利益を価格に転嫁できる「強い企業」が多く、結果的に**物価上昇に強い資産**になりやすいのが特徴です。
まとめ:円安でも焦らず、長期の視点で
円安のときに海外投資を始めるのは「割高」に感じるかもしれません。 ですが、長期的に見れば為替の上下は繰り返されるもの。 大事なのは、**タイミングよりも継続**して投資を続けることです。
「円安=買うべきではない」と決めつけず、 自分のリスク許容度と目的に合わせて、 海外株や米国ETFなどもポートフォリオに組み入れる選択肢を持っておくのが賢明です。



